女性の悩み, 男性の悩み, 記事

日本でのLGBTや同性愛者について、その歴史、それに対する認識の変遷

LGBTっていう言葉聞いたことがありますか?多分多かれ少なかれ知っていると思います。多くの人は多分、外見が男性のように見える女性(例えば、天海祐希/あまみゆうき)、声が男性のように聞こえるほど低い女性、外見が女性のように見える男性(例えば、菅田将暉/すだまさき)、声が女性のように聞こえて尖っている男性、女が好きな女、男が好きな男、タイ国に集まっているニューハーフ、オネエといったタイプをイメージしやすいかもしれませんが、これらはただ浅くて薄っぺらな、表面的な認識で、LGBTっていった人について十分に、深く認識している訳ではありません。

「LGBT」の定義

「L」=レズビアン(Lesbian、女性同性愛者)、「G」=ゲイ(Gay、男性同性愛者)、「B」=バイセクシュアル(Bisexual、両性愛者)、「T」=トランスジェンダ(Transgender)ー(生まれた時に与えられた性別に囚われる人)など、日本語で性的少数者と言います。「LGBT」という言い方はそれらの言葉の頭文字から組み合わせられたのです。

日本だけでなく、世界各国にわたっても、社会的には、「人は生まれながら与えられた性別らしく生きていなくてはいけない、男性は女性が、女性は男性が好きなのが正常で、それ以外は異常で怪しい」といった固定的な観念や先入観を持って、LGBT当事者に対して偏見や差別を持つ人が少なくないです。

LGBT当事者はいつもそういった周囲からの偏見や差別的な言行で悩んでいます。また、他人に自分がLGBTって明かして周囲の人々に理解してもらいたいと心から思っていても、周囲からの偏見や差別的言動を怖がり、誰にも悩みを打ち明けられずに辛いと思っているケースがあるあるです。

日本ではLGBTに寛容なのか?

この質問に答えるのは、短く言い切れないです。いくつかの歴史段階を分けてそれぞれ説明します。

1、近代以前

近代以前の日本は、大体中国や朝鮮半島やベトナムなどの儒家文化圏・漢字文化圏の地区のように、男性に主導されている男性社会で、男色と女色が並び話されていました。江戸時代の大奥や遊廓など女性しかいない環境下で女性の性的関係が見られたようですが、史料として大部分残っていないから、詳細が分からないです。しかし、枕絵や春画などでそういった描写が見られています。

一方で、男性の性的関係は武士や僧侶の間で、また歌舞伎の世界などでたびたび見られたことを示す記録が数多いです。男性同士で関係を持つことを表す言葉「男色(なんしょく)」に対して、男性が女性と関係を持つことが「女色(にょしょく)」と言われてます。あの時の日本では男色と女色はどちらがもっと好ましいかっていうような討論も存在していました。男色は宗教的にも道徳的にも罰を与えられではありませんでした。昔は男性社会なので、女性の社会的地位が低かったで、むしろ男性同士の性的関係はもっと高い社会的地位を持っていたかも。

2、近代に入ってから

西洋キリスト教社会では、昔から同性の性的関係は宗教上の罪で、特に19世紀後半ごろから、ドイツやイギリスで刑法で罰せられる対象とされていきます。それに対して、同時期にヨーロッパで生まれた性科学(人間の性を科学的に研究する学問)においては、「同性間の性行為をする人は、犯罪者ではなく病人なのだから、罰するべきではない)」と主張する動向が出ました。この言論はある程度、同性愛への寛容に作用してたと考えられます。

同時期の日本では、鎖国政策が終結したばかりに、西洋からの思想や観念などの影響を受けつつ、西洋に教わるって唱える明治維新運動も日本国民の思想や観念を大きく変えました。何がって、全般的な西洋化を主張する学者も現れました。そういった原因で、日本社会と国民も多かれ少なかれ上記の同性愛への寛容を示す言説に影響されていました。

ただし、19世紀末から日本に性科学の考え方が日本に入りましたが、性科学は専門的な学問と言うより、むしろ分かりやすく説明され、世俗的な受けとめ方をされたようです。逆に、性科学の知識がおかしく庶民に広まって、結果は「同性愛は変態性欲」という認識が少しずつ庶民に浸透してしまいました。

キリスト教の教義を精神的支柱としていない日本社会では、前に言った寛容のニュアンスがなくなって、「異常なんだ」、「普通とは違う人たちなんだ」という部分だけ一人歩きして、差別が生じてしまいました。 ところで、「同性愛」という言葉が使われるようになったのは1910年代以降です。

3、現代に入ってから(第二次世界大戦後)

20世紀の50年代

20世紀の50年代、全世界に衝撃を与えたのが、アメリカの性科学者アルフレッド・キンゼイ博士が発表された「キンゼイ報告」です。これは、全米の男女およそ18,000人を対象に行われた、性行動に関する調査報告書でした。この報告書は日本にもたくさん影響し、同性愛に対する価値観にパラダイム転換を起こしました。 それまでの日本では、同性恋愛と言えば女学生間に見られるような、精神的に仲良い関係だという認識は広まっていました。 しかしキンゼイ報告によって、実は男性同士の方がもっと多くて、更に同性愛は性的接触が伴う関係が多く存在するという調査結果が出されて、日本における同性愛の概念を覆しました。

20世紀の60~70年代

20世紀の60年代は経済発展や雑誌メディアの発達と共に、性に関する情報が世の中に溢れ始めたんです。マスメディアを通じて「異常な性的嗜好の一つとしてのレズビアン」という認識が広まっていきます。アダルトコンテンツは商業化されると共に、描写や内容は争うように過激さが増して、その中で女性の親密な関係もポルノ化され、異性愛男性の消費の対象となっていきました。週刊誌もレズビアンをテーマに露骨な記事を載せたり、70年代になるとポルノ映画でレズビアン作品が人気を集めたりなど……非常に偏った形でレズビアン・イメージが浸透してしまったのです。

一言で言うと、20世紀の60~70年代は、露骨な性描写の商業化とメディアによる偏見の増幅の時代です。

③20世紀の80年代~90年代

20世紀の80年代から90年代まではエイズ禍の時代です。ホモフォビア(同性愛嫌悪)は顕在化し始め、HIV感染への不安も高まる中、同性愛者たちのコミュニティの中から、差別に対する異議の申し立てをしたり、互いに情報交換やサポートをしたりするための活動団体が生まれました。自分の存在を可視化させ、排除や偏見に対して異議を唱えながら好奇な視線に晒されがちだった同性愛者たちを巡る状況は、20世紀の90年代に転換期に会ったと言えるでしょう。

一言で言うと、20世紀の80~90年代、LGBTと他の当事者たちは差別反対、解消に向けて団結、行動している年代です。

④21世紀の10年代

21世紀10年代の動きはそれまでと明らかに異なります。以前のLGBTの社会運動は、人々がそれぞれ集まってミニコミを作ったり、自分たちが読むための雑誌を出したり、あるいは差別に反対するためにコツコツ草の根的な運動を行っていました。それに対して、2010年代を皮切りに始まったLGBTQ+ブームとも言える動きは、それまでの運動とは全然違った形で、突如大々的に始まった印象です。自分たちのコミュニティに向けて、というよりはその外部に向けた活動が中心で、大企業を巻き込んだ取り組みが目立つ、ビジネスに親和的な動きでもありました。

いっそう多くのアライを生み出し、巻き込んだことが、2010年代の運動の特徴と言えます。

因みに、現代社会では、人々はLGBTに対する寛容度や心情的共感が次第に増えているため、より多くのLGBTの方、特に同性恋愛は勇気を出して自分の身分と性的指向をはっきりと示すようになっています。それに伴って、同性愛者向けのアダルトグッズ産業もますます広がっています。こういう大人のおもちゃは二人用(セックス用)、一人用(オナニー用)、女性用、男性用などの多くの種類が含まれています。ラブグッズの進化のおかげで、二人の間の関係や愛情がいっそう深まります。

性別の分け方やあり方

性別の分け方は、単純に「男性/女性」だけではなく、いくつかの要素に分けて考えてみることができます。例えば、以下の4つの基準に分けて考えてください。

法律上の性別と体の性別
生まれた時に性器の形などから、医者さんなどに「女の子です」、「男の子です」と教えられ、役所に届け出ることで法律上の「女性」か「男性」に割り当てられる性別のことです。

性自認
自分の性別をどのように認識しているかっていう要素を指します。男性だと自覚している人、女性だと自覚している人、中性だという人、決めたくないという人、どの性別か自分でも分からない人など、色々です。

③性的指向
自分の恋愛や性愛の感情は、どの性別に向くか/向かないか、という要素です。 異性が好き、同性が好き、どの性別も好き、性別で好きな人を決めたくない、特定の誰かが好きか好きではないかなど、色々です。

性のあり方はL、G、B、T、Qだけでなく、他にも下記の通りに、多様なタイプがいます。

Xジェンダー:自身の性別を男女いずれかに限らない人

Aロマンティック:他人に恋愛的に興味や関心を持たない人

Aセクシュアル:他人に性的に興味や関心を持たない人

パンセクシュアル:性的指向が性別に囚われない人

まとめ

今の現状は、日本国内では同性婚姻が法律上認められません。アジアで唯一の同性婚姻合法化を実現した地域は台湾です。しかし、LGBTに対する差別や人身攻撃が法律上禁止されるべきです。人々は生まれながら平等で、法律の前に人々も平等です。他人との差異だけで身心上人を責めたり口汚く罵ったりなどをするのは飽くまで不道徳行為です。

皆さんも正しく性別の分け方やあり方を認識しておいて身に付ける必要があります。まずは単純に「男性/女性」だけで性別を分類しないことが大切です。LGBTや同性愛者に対する認識はだんだん変化しながら進歩しているのは否めないです。こういう変化と進歩は長いプロセスです。ぜひがっかりしないようにお願いします!

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です